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グルマン温故知新:白金台〈三和〉経験と理論でさらに進化した、極みの炭火焼き

テーマごとにレストランを紹介するブルータスの人気連載。今回のテーマは「炭火のカルネ」。目利きした牛肉のポテンシャルを最大限に引き上げるべく、火入れを追求したシェフ。白金台の新店では炭火焼きを採用。インパクトのあるおいしさで、脳内に幸せホルモン=セロトニンが分泌されること間違いなし。

Photo: Shin-ichi Yokoyama / Text: Mamiko Kume

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三和(白金台)

経験と理論でさらに進化した、極みの炭火焼き。

根っからの「肉好き」というオーナーシェフの渡邉大祐さん。自ら産地まで赴き、これぞと見込んだ5つの牧場から牛肉を調達。本気度の高さが窺える。

シェフを務めた中目黒〈ロデオ〉では薪焼きと炭火焼きを併用したが「薪の場合、水分のある生の木なのでドライエイジングの肉には向いている。うちではサシが少ない和牛の赤身をベストな状態で仕入れているので、炭火で余分な脂と水分を飛ばすように焼きたい」と、渡邉さん。

レギュラー入りしている宮城〈関村牧場〉の漢方和牛カイノミなら、繊維を壊さないよう冷たいまま表面をしっかり焼き固める。その後は4段階ある炭焼き台で近火や遠火を丁寧に使い分け、休ませながら焼くこと30分。口に運べば香り高く、ほぐれるような食感で、温度も風味も完璧な仕上がり。自称「焼き色を重ねる派」のなせる業だ。

前菜やパスタに充実させた魚介メニューは肉への序章。この傑作ストーリーに身を任せて。

白金台〈三和〉オーナーシェフの渡邉大祐さん
渡伊経験があり、京橋〈シェ・イノ〉でも研鑽を積んだ渡邉大祐さん。
白金台〈三和〉店内
臨場感溢れるカウンターの奥には個室のテーブル席も。

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