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グルマン温故知新:四谷三丁目〈Osteria Lumaca〉ハイスペックな石窯を駆使する肉焼きの新鋭

テーマごとにレストランを紹介するブルータスの人気連載。今回のテーマは「石釜のカルネ」。目利きした牛肉のポテンシャルを最大限に引き上げるべく、火入れを追求したシェフ。四谷三丁目のオステリアは石釜を採用。インパクトのあるおいしさで、脳内に幸せホルモン=セロトニンが分泌されること間違いなし。

Photo: Shin-ichi Yokoyama / Text: Mamiko Kume

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Osteria Lumaca(四谷三丁目)

ハイスペックな石窯を駆使する肉焼きの新鋭。

オーナーシェフの狩野有洋さんは、肉仕事を得意とする。前菜で「必ず食べてほしい」と推すプロシュートは、新潟・苗場の実家で作った自家製のもの。地元が誇るブランド豚「越後もちぶた」を鮮度のいい状態で仕入れ、夏も涼しい環境で10本以上仕込むというからすごい。

そんな狩野さんがメインディッシュの主役に据えるのが、石窯で焼き上げるいわて門崎丑だ。旨味が濃厚な赤身と、コクがありながらさっぱりとした脂が特徴。自慢の石窯はフランス・ラルナージュの白土を焼成した煉瓦により400℃以上の超高温になる代物。厚みのある牛肉の表面を一気に焼き固め、遠赤外線効果によって水分を残しながらジューシーな仕上がりを狙う。

「余分な脂を落として休ませながら焼きます。この石窯ならピッツァも、火入れが難しい鴨もおいしく仕上がる」と、ご満悦。

「肉前」の前菜もパスタもワインが進むアレンジ。オステリアの本領発揮といったところ。

四谷三丁目〈Osteria Lumaca〉オーナーシェフの狩野有洋さん
肉焼きの名店〈リストランテ寺内〉(現閉店)出身の狩野有洋さん。
四谷三丁目〈Osteria Lumaca〉店内
一枚板のカウンターは一部が対面式。テーブル使いも可。

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