SANS DÉCONNER(渋谷)
居酒屋のグルーヴでパリのガストロを
「フランスの“いい加減”さが性に合って」と話す渋谷将之シェフ。神戸出身、パリを中心にフランスで10年。土地勘ゼロの東京で「公園前」を条件に店の場所を探したのは、修業時代のように公園で休憩するため!
「名前と同じ渋谷区で」というのも、冗談のようなホントの話。
タトゥばりばりのルックスも、修業時代の友人というスペイン人スタッフとの掛け合い(フランス語で!)も、東京ではかなり異質。でも音楽も会話も大音量、お客が小さなテーブルをぎゅっと囲み、料理はガストロノミーのクオリティ、というのが今のパリ。
夜のコースは8皿。果物やナッツ、香草の自由な組み合わせで魅する前菜から、基本のソースを味の土台に据える魚、肉料理まで、緩急アリの仕事は3年半務めた〈ラ・ビガラード〉で学んだ。「若い世代も来て」と21時からはアラカルトで1杯も歓迎、昼は2皿からお気軽に。一見ナンパ、実は骨のある、シーンを変えていく店だ。