胡同三㐂（祖師ヶ谷大蔵）
中国料理界のサラブレッド、祖師谷に現る。
祖父は江蘇省鎮江出身で日本中国料理協会の初代会長。父はロイヤルパークホテル〈桂花苑〉料理長で現代の名工にも選ばれた重鎮。華麗なる系譜を継ぐ大城昌宏さん。グランドハイアット 東京〈チャイナルーム〉、人気チャイニーズ〈ジャスミン〉グループで腕を磨き、29歳で独立開業。頼もしい若手だ。
メニューに並ぶのは、大城さん家の家庭料理。餃子にカリカリ梅と大葉のしらす炒飯。定番は定番らしく、完璧な餡の配合と焼き加減で。オリジナルはアレンジの妙で未知のおいしさに。
「おじいちゃんの肉団子」祖父・宏喜さんが作り続けてきた「獅子頭」と祖母が家庭で作る肉団子のレシピを合わせ、「究極に軟らかく仕上げる」シグニチャーメニュー。豚バラ肉に木綿豆腐を混ぜ込み、こぶし大ほどのサイズに。中国醤油を加えたスープで2〜3時間じっくりと煮込む。ふんわりとろけるような驚きの食感。¥1,630。 
「大城さん家の焼き餃子」しっかりと水気を絞ったキャベツ5に対して肉1の割合。シャキシャキと繊細な歯触りで、ほのかにショウガが香る優しい味わい。そのままでもいいが、秘伝というよだれ鶏のタレや花椒と米酢で味わうのも乙。5個¥650。 
「塩漬け肉と発酵白菜野山椒スープ」鶏白湯に鶏ガラスープを合わせ、つけ汁から作る自家製発酵白菜で酸味をプラス。コクのある塩漬け干し肉に食感の良いタケノコ、レンコン、マコモダケを加えて。発酵青唐辛子「野山椒」がアクセントに。¥1,230。
オープンからはや数ヵ月。「そろそろ自分のやりたい料理を」とも。例えば、自家製発酵白菜の野山椒スープは旨味、酸味、辛味のバランスが抜群で、やめられない、とまらない！酢豚なら修業先で学んだ「旨濃い味」に。目のつけどころ、振り幅の大きさも大城さんならでは。ウルトラマンゆかりの地で目指すは、地元に愛されるアットホームな店。末長くご愛顧を。
