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グルマン温故知新:飯田橋〈Qkurt〉リストランテ級の料理をカウンターでカジュアルに

テーマごとにレストランを紹介するブルータスの人気連載。今回のテーマは「夫婦ナチュラルワイン」。食堂やラーメン屋を夫婦で切り盛りするのは昔っから。「時間を忘れて食事を楽しんで」とコースを供にする飯田橋のイタリアン。おしどり夫婦が醸し出す柔らかな雰囲気が、ナチュラルワインによく合う。

Photo: Yoichiro Kikuchi / Text: Mamiko Kume

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Qkurt(飯田橋)

リストランテ級の料理をカウンターでカジュアルに。

都立大学〈カンティーナ カーリカ・リ〉で4年の経験を積んだ角田直也さん。旺盛なホスピタリティは引き継ぎながら、料理のスタイルは独自の路線へ。

メニュー内容は仕入れ次第で、即興も厭わない構え。群馬の野菜に氷見の魚、喜和味牛と選りすぐりの食材だからこそあれこれ重ねず、シンプルに仕立てる。自家製タリアテッレなら生ウニでとろみをつけ、ピマン・デスペレットをはらり。

サラダのドレッシングにするマンゴー果汁のビネガーもそう。驚きのある工夫を忍ばせるテクニシャン。絵皿使いがなんだか新鮮で、器の中はリストランテのようなちょっとよそ行きの雰囲気だ。

「料理とワインの相性は個人の主観が強いもの。あえてペアリングは設定せず、グラスで色々楽しめるよう、どんどん抜栓しちゃいます」と、気前がいい。

本格始動したこれからは、コース一品一品の精度を上げていき、完結された「腑に落ちる」料理を探求中。期待していい。

飯田橋〈Qkurt〉角田直也さん(右)とパンとドルチェ担当の菜美子さん。
角田さん(右)と、パンとドルチェ担当という妻の菜美子さん。
飯田橋〈Qkurt〉店内
幅広のカウンター席。入口付近の4席のみ対面の利用が可能。

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