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グルマン温故知新:麻布十番〈酒肆ガランス〉ボーダーレスな料理と酒と音楽を

テーマごとにレストランを紹介するブルータスの人気連載。今回のテーマは「ご飯と酒と音楽と」。レストランでゲストが享受するものは、まず、味覚と空腹を満たしてくれる料理とお酒。そしてスタッフの的確なサービスや、そこで過ごした記憶をより印象的にしてくれるインテリアに、音楽も極めて重要!心に残る音を愛する人に薦めたい1軒はこちらです。

Photo: Hisashi Okamoto / Text: Haruka Koishihara

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酒肆ガランス(麻布十番)

ボーダーレスな料理と酒と音楽を。

2015年に白金高輪でオープンし、多様な料理と酒が揃う店として賑わった〈酒肆ガランス〉が、この春麻布十番へ移転した。

店主の星野哲也さんが「ジャンルの枠にとらわれないメニューはジャズメンが手本」というだけにメニューは自由闊達だ。移転を機に仕立てを変えたハンバーグもあれば、イワシのグリルや南インド式のカレーなどの名物料理はこれまで通り。そこに新たに登場したのが“MITANI”という人名を添えたフランス料理。星野さんは、90年代に人気を博したブラッスリー&カフェ〈オーバカナル〉の立ち上げに携わった人物。そこで共に働いた、故・三谷青吾シェフへの敬愛の念の表れだ。

シェフへの思い同様に、長年情熱を傾けるオーディオは稀少な名機で構成。「マランツ#7」「ALTEC」と劇場用スピーカーが奏でる、迫力ある音は比類ない。「料理も音楽も、時代や国境を超えて何でも取り込み、東京の夜を彩る店」を標榜する。

麻布十番〈酒肆ガランス〉シェフの中野竜義さん
星野さんに託されるメニューを具現化する、シェフの中野竜義さん。
麻布十番〈酒肆ガランス〉店内
音を愛する客がスピーカー前で聴き入っていることも。

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