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グルマン温故知新:蓮根〈PLANT〉東京から発信する、農家レストランの最新形

テーマごとにレストランを紹介するブルータスの人気連載。今回のテーマは「グリーンレストラン」。窓から見える新緑に癒されながら、土地の自然の恵みを味わう贅沢を、話題の新店で。都内の農家が仕掛けるシェアレストラン。緑に加え、ローカルガストロノミーや食農一体型レストランの新しい形が見える。

photo: Yoichiro Kikuchi / text: Kei Sasaki

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PLANT(蓮根)

東京から発信する、農家レストランの最新形。

脱サラして東京都板橋区に無農薬・無化学肥料で野菜を育てる〈THE HASUNE FARM〉を立ち上げた冨永悠さん。畑から徒歩5分の場所にある庭付きの古い民家をリノベーションし、週替わりのゲストシェフが厨房に立つレストランを開いた。循環型の都市農業とシェアレストランが一体となった、次代の農家レストランだ。

現在は、白石貴之シェフと青柳陽子シェフの2人が週替わりで厨房に。白石シェフは〈レストラン イートリップ〉、青柳シェフは〈81〉と、共に東京レストランシーンの最前線で経験を積んだ注目の料理人だ。「花や脇芽など、流通しないものもすべて素材になる」と、嬉々として話す白石シェフ。

収穫したてのカブや、根ごと使う葉野菜の間引き株の鮮烈な味や香りは、肉や魚に劣らぬ存在感だ。緑豊かな庭もレストラン仕様に絶賛整備中。窓越しに愛でるだけでなく、オープンエアでのアペリティフが楽しめる日も近そう。

蓮根〈PLANT〉シェフの白石貴之さん
白石シェフ。カリフォルニア州〈シェ・パニース〉でのスタジエ経験から農業に関心を抱くように。
蓮根〈PLANT〉店内
厨房前のテーブルが中心。

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