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グルマン温故知新:白金台〈Pizza da Vinci Tokyo〉1人丸ごと1枚食べても飽きない軽旨ピッツァ

テーマごとにレストランを紹介するブルータスの人気連載。今回のテーマは「ローマとナポリの間で」。料理もワインもこなすピッツァイオーロの個人店。生地は薄焼きもちっとで、軽やかだけど食べ応え満点。前菜に力を入れ「蕎麦前」ならぬ「ピッツァ前」も大充実。ピッツェリアは街のインフラです。

Photo: Shin-ichi Yokoyama / Text: Mamiko Kume

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Pizza da Vinci Tokyo(白金台)

1人丸ごと1枚食べても飽きない軽旨ピッツァ。

都内のイタリアン、和食店を経て六本木〈ピッツェリア・バッジオ〉等の有名店で経験を積んだ、近藤学さん。開業前の火入れ期間中、粉の配合、塩やイースト、水の分量を試行錯誤。ようやく完成した理想の生地も保管庫の温度・湿度、外気温や水温までノートに書き留め、日々ブラッシュアップ。大変そうでも「そこがピッツァの面白いところ。どハマりした」らしい。

木箱に並ぶ自慢の生地は、羽毛布団のようにふっくら。額縁のコルニチョーネを引き延ばすように広げながら、ひだを作ってはガスを逃さないテクニシャンぶり。火力を瞬間的に上げる杉のチップも併用し、窯内に打ち塩をするスタイルも新鮮だ。焼き上がったピッツァは「女性でも1人1枚は軽く食べられる」仕上がりで、焦げまで旨い。

前菜は口溶けのいい極薄のプロシュートに、薬味を添えた鮮魚のカルパッチョは和食経験のある近藤さんならでは。真摯で誠実。その仕事ぶりが客を呼ぶ。

白金台〈Pizza da Vinci Tokyo 〉オーナーシェフの近藤学さん
料理にピッツァにと奮闘努力するオーナーシェフの近藤学さん。
白金台〈Pizza da Vinci Tokyo 〉店内
ビルの地下に広がる、コンクリート打ち放しのインテリア。

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