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グルマン温故知新:西荻窪〈Osteria Tre Pazzi〉軽いノリで王道を貫くイタリアンブラザーズ

テーマごとにレストランを紹介するブルータスの人気連載。今回は一つの料理や食材への並々ならぬ愛情で、マニアックな専門店を作り上げてしまったお店。愛の強さ=味わいに比例する!遊び心溢れるメニューを堪能せよ。

Photo: Yoichiro Kikuchi / Text: Mamiko Kume

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Osteria Tre Pazzi(西荻窪)

軽いノリで王道を貫くイタリアンブラザーズ。

満席なのに開店数ヵ月とは思えぬ驚きの安定感。それもそのはずで、シェフは吉祥寺〈トラットリアチッチョ〉の元料理長でフィレンツェにも渡った松原達志さん。サービスは、元〈ビストロ ハッチ〉ソムリエ兼店長の憲作さん。兄弟揃い踏みだ。

メニューは明快で、前菜は魚介多め、セコンドは肉が主体、得意のパスタは王道推し。国産食材を多用し、山梨県〈うえのはらハーブガーデン〉のハーブ、静岡県富士市〈長谷川農産〉のマッシュルームなど「代えが利かない素材」にこだわる。

定番カチョ・エ・ペペは食感も格別で、ペコリーノ・ロマーノと黒コショウの一体感に悶絶必至。鴨肉も火入れは丁寧で、リゾットとのバランスも最高だ。

兄の料理を「とにかく旨そうで運んでいて楽しい」と弟。兄は「しかしよくしゃべる(笑)」
と呆れつつ、信頼は絶大。弟のトークがグルーヴを生み、兄の料理はキレと勢いを増す。松原ブラザーズのノリはクセになる。

西荻窪〈Osteria Tre Pazzi〉シェフの松原達志さん(右)とサービスの憲作さん。
分業で切り盛りする兄の達志さん(右)と弟の憲作さん。
西荻窪〈Osteria Tre Pazzi〉店内
カウンターをメインにベンチシートを設けたゆとりのテーブル席。

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