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グルマン温故知新:浅草〈noura〉星付きクオリティの味を2皿から気軽に

テーマごとにレストランを紹介するブルータスの人気連載。今回のテーマは「花街の小箱フレンチ」。風情ある東京の花街・浅草に20席以下のフレンチの両点がお目見え。長年、地域に根ざして街を盛り上げてきたシェフの原点回帰な店で、フランスの郷土色が香る味作りも魅力的。ご近所ならもちろん、わざわざ出掛けてでも味わう価値アリ!

Photo: Naoki Tani / Text: Kei Sasaki

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noura(浅草)

星付きクオリティの味を2皿から気軽に。

小さく店名が刻まれた大理石の看板も、装飾を廃したミニマムな店内も、モダンガストロノミーのダイニングを彷彿させる佇まい。記号のような店名の由来を尋ねると「本店“の裏”だから」と、荒井昇シェフ。なんと明快、かつ、洒落ている!

生まれ育った浅草でレストラン〈オマージュ〉を開き18年。地域密着のカジュアルフレンチを食通が集うファインダイニングに育てた。満を持しての2軒目は原点に返り、ベーシックを、今だからできるクオリティで。全国の生産者から届く選りすぐりの食材を2店で共有。

野菜のスープを添えたソーセージや豪快なステックフリットといったビストロの定番は、衒いなく上質で確かな味だ。厨房は、荒井シェフとは旧知の仲の松本義夫シェフが仕切る。ハーブやオリーブオイルが香る軽やかさは、2人が修業を共にした南仏のエッセンスだ。前菜、主菜2皿のコースは夜も¥2,800から!普段着で味わえる一流である。

浅草〈noura〉シェフの松本義夫さん
松本シェフ。荒井シェフとは仏〈クロ・デ・シーム〉修業時代からの20年来の付き合い。
浅草〈noura〉店内
気取りがなく上品なしつらえ。

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