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グルマン温故知新:千歳船橋〈no.502〉デリも物販も。地域密着型のボーダレス角打ち

テーマごとにレストランを紹介するブルータスの人気連載。今回のテーマは「住宅街の昼飲み酒場」。昼から飲める酒場は、惣菜のテイクアウトができて、物販もいろいろ、というスタイルで、住宅街に根づき、ファンを集めて小さなコミュニティを形成している。早い時間からの一杯やテイクアウトのニーズが高まる今、注目の新店。

 

Photo: Naoki Tani / Text: Kei Sasaki

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no.502(千歳船橋)

デリも物販も。地域密着型のボーダレス角打ち。

コンクリート打ち放しの酒屋らしからぬ空間で人気を博した外苑前のナチュラルワインショップ〈no.501〉が、2号店をオープンした。今度は昔ながらの住宅街に残る古い木造一軒家を改装。1階は立ち飲みカウンターを備えたワインとデリ、セレクト食材のショップ。2階は、ゆっくり食事ができるダイニング。全方位型の地域密着店だ。

卵黄のコンフィと燻製マッシュポテトが添えられた和牛のローストビーフあり、ヴィーガン対応の野菜のフリットあり。料理はレストランのクオリティだ。シェフは、スコットランド人男性と、イタリアで5年間修業した日本人女性。国籍もジェンダーも世代も超えた「ボーダレスな場所に」というコンセプトを、厨房から体現するというわけ。

朝9時からの終日営業ゆえ、のんびり昼酒もよし、夕飯用の惣菜とワインを調達しつつ軽く一杯、も。子供連れからお年寄りの一人客までが“境界なく”集う地域の場になりつつある。

千歳船橋〈no.502〉シェフの日吉美代子さん(左)とジェームズ・バックリーさん(右)
東京のレストランでも活躍したジェームズ・バックリーさん(右)と日吉美代子さんが厨房に。
千歳船橋〈no.502〉内装
内装も尾藤さんが手がけた。

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