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グルマン温故知新:西小山〈nerisa〉地元・埼玉の食材で紡ぐ旬産旬消のイタリア料理

テーマごとにレストランを紹介するブルータスの人気連載。今回のテーマは「北緯45度のイタリアン」。旬満載のアラカルトメニューをショートスパンで刷新するお店。地元・埼玉の食材を多用する西小山のシェフはピエモンテ仕込み。ピエモンテのエッセンスを目と舌で味わおう。

Photo: Yoichiro Kikuchi / Text: Mamiko Kume

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nerisa(西小山)

地元・埼玉の食材で紡ぐ旬産旬消のイタリア料理。

学芸大学〈リ・カーリカ〉のオープニング当初から、同グループで腕を磨くこと8年。それ以前にはイタリア・ピエモンテの1ツ星でも経験を積んだオーナーシェフの田中隆照さん。

「イタリアンは郷土性があり家庭的。その土地にある食材で料理をシンプルに組み立てるスタイルとカジュアルさが肌に合う」ようでそのスタンスをなお貫く。

突き出しのスープにスタメン起用するのは、地元・埼玉県小川町で有機農法を実践する〈横田農場〉の新鮮野菜。ほかにも近隣他市の生産者を訪れ、選りすぐった牛肉や豚肉など素材は生命線だ。この時期のメインディッシュは〈肉の登美や〉が手塩にかけて育てた入間の地豚。フキノトウを挟んだカツレツは、日本料理で言うところの「出会いもの」。相性抜群の組み合わせで春爛漫の味わいに心が弾む。

得意の手打ちパスタにしても創作はせずに、イタリアンの枠は外さない。それでいて気張らずフラットな雰囲気もいい感じ。

西小山〈nerisa〉オーナーシェフの田中隆照さん
「小川町はピエモンテに似ている」と田中隆照さん。
西小山〈nerisa〉店内
奥にはお客が自分で選べるようショーケースのようなワインセラーが。

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