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グルマン温故知新:表参道〈NéMo〉魚を知り、こよなく愛する、シェフの美しいコース

テーマごとにレストランを紹介するブルータスの人気連載。今回のテーマは「フレンチ・エリート」。東京/パリの名だたるレストランで経験を積み、自身がシェフとして腕を振るう店をオープンした料理人。魚を得意とするシェフの表現はみずみずしく、才気煥発だ。

Photo: Shin-ichi Yokoyama / Text: Haruka Koishihara

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NéMo(表参道)

魚を知り、こよなく愛する、シェフの美しいコース

「魚では誰にも負けません」。清々しく語る根本憲一シェフ。独立直前に約6年在籍していた〈Quintessence〉でも、その魚介類の的確な扱いに岸田周三シェフが一目置くほどだったそう。

釣り好きな祖父の影響で幼少期から伊豆下田の海に通い、釣りの技術のみならず釣った魚の締め方やさばき方を習得した。やがて漁師さんの船に乗せてもらうまでになり、自然と食の世界へ。調理師学校卒業後は〈NARISAWA〉へ。その後、パリの1ツ星で約2年間修業。帰国後は〈Quintessence〉を経て、この6月に自身の店を開いた。

信頼関係で結ばれた漁師さんから届く魚を、新里明士、林沙也加など、その作風に惚れ込んだ作家の器に美しく盛る。「普遍的なおいしさのある素材を的確な温度で、余韻の長い味わいに仕上げるのがテーマ」という料理と、ソムリエ・寺島唯斗さんの名店仕込みのソフトなサービスも調和し、心地よく過ごせるファインダイニングだ。

表参道〈NéMo〉シェフの根本憲一さん
根本さんは1984年2月生まれ。
表参道〈NéMo〉店内
クロスをかけないテーブル、切り株の装飾などの木の風合い、砂色の壁で大地のイメージに。

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