室見 富永(江古田)
気楽に手頃に、燗酒片手にジビエを楽しむ
看板なし。足元の小さなさざ波のような模様の行灯(あんどん)が目印。店主・富永愛未さんは福岡市の出身。家のそばを流れる室見川をイメージして行灯の模様を母が描いてくれた。店名は、「室見出身の富永」からつけたもの。小さな店を、一人で切り盛りする。
自慢はジビエや天然キノコを用い、洗練された味に仕上げた酒肴の数々。富永さんも〈白金 芯〉前田さんと同じく、〈創和堂〉の出身。大先輩、前田さんには教わることが多かったという。
全国の信頼の置ける生産者から取り寄せる食材を駆使し、繰り出す料理は小さな工夫と愛が込められ、いちいち旨い。島根・石見(いわみ)銀山の酒屋をはじめ、訪ね歩いた先々から届く30種以上の日本酒で、料理によってペアリングもしてくれる。ワインは、パン飲みの名店〈パーラー江古田〉のショップのナチュラルワイン。予約すれば土日は昼飲みもできるという申し分のなさ。個性たっぷりの居酒屋だ。