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グルマン温故知新:四谷三丁目〈南方中華料理 南三〉湖南、雲南、台南、3つの南にこだわる中国料理

テーマごとにレストランを紹介するブルータスの人気連載。今回のテーマは「中華サウスバウンド」。中国の料理と聞いて思い浮かぶのは、広東料理や四川料理、上海料理などだろう。だが、そのどれにも属さない中国料理店が話題だ。〈南方中華料理 南三〉では湖南・雲南・台南と大陸&台湾の南部の味をコースで。この夏、中華は南方がキーワードに。

Photo: Naoki Tani / Text: Taketoshi Oonishi

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南方中華料理 南三(四谷三丁目)

湖南、雲南、台南、3つの南にこだわる中国料理。

スパイスを多用する干し肉や、発酵パイン醬を使った魚のオーブン焼き、ミントが香る雲南傣族レモン鶏など、料理は馴染みの少ない味尽くし。しかし店主・水岡孝和さんが生み出す未体験の味を求め、5月オープンの小さな店は、早くも美食家の間で話題となり、連日盛況だ。

自身の足で中国各地を巡り、特に食文化が濃密で豊かだと感じた、中国南部の湖南、ベトナムやタイにほど近い南西部の雲南、さらに1年間の語学留学も経験した台湾南部の台南。3つの南にこだわり中国料理を提供するから、店の名は〈南三〉だ。

「現地で味わい、作った人に中国語でその場で作り方を聞き、市場で材料を漁り、本屋でレシピを再確認。これが水岡理論」

料理人は水岡さん一人だが、発酵パイン醬や塩レモンなどの調味料や、肉や魚の燻製を自家製にするこだわりぶり。飽きさせることなく、複雑で多彩な味わいの中華つまみが続々と登場し、つい夢中になってしまう。

四谷三丁目〈南方中華料理 南三〉店主・水岡孝和さん
「9月以降はコースを増やしていきたい」とシェフの水岡さん。
四谷三丁目〈南方中華料理 南三〉店内
もともとはバーだった路地裏のビル2階の小体な空間。

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