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グルマン温故知新:銀座〈MASIA〉スペインのローカルガストロノミーを東京で

テーマごとにレストランを紹介するブルータスの人気連載。今回のテーマは「モダンスパニッシュ」。日本のスペイン料理を革新するカウンター主体、モダンかつカジュアルなレストラン。欧州、アジア各国で腕を磨いたスペイン人シェフが厨房に立つ。

photo: Shin-ichi Yokoyama / text: Kei Sasaki

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MASIA(銀座)

スペインのローカルガストロノミーを東京で

コンセプトに掲げる「マーリ・モンターニャ(Mar y Montaña、スペイン語で「海と山」の意)」は、地中海とピレネー山脈に囲まれたカタルーニャの原風景。同地出身のマテウ・ビジャレットシェフが、郷土料理を世界に発信するレストランを銀座に開いた。スペイン人シェフによるスペイン料理店が少ない日本で、画期的な一軒だ。

心惹かれる食材、食文化に導かれて来日し、大阪〈HAJIME〉での修業を通じ、日本のレストランの成熟に触れた。海山の食材の豊かさは、故郷に同じ。新鮮なウニを使ったスペイン米の料理や、パスタ仕立てにした素朴な煮込み料理に、カタルーニャというルーツとスペインの美食文化、日本の食材すべてが生きている。

国内外のトップレストランで活躍してきたソムリエ・長谷川憲輔さんによる、スペインを深く掘り下げたワインの提案も、料理の背景を肉づけするもの。スペインのローカル発、世界照準の味を東京で。

銀座〈MASIA〉シェフのマテウ・ビジャレットさん
1985年生まれのマテウシェフ。スペイン、オランダやシンガポールでも活躍。
銀座〈MASIA〉店内
シンプルな店内をスペインのアート作品が彩る。

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