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グルマン温故知新:神泉〈Luna e Gatto〉生産者との太いパイプと目玉食材で勝負

テーマごとにレストランを紹介するブルータスの人気連載。今回のテーマは「原価率やや高めのイタリアン」。新鮮な旬の魚介を軸にしつつ、あの生産者が手がけるスペシャルな食材など。客の喜ぶ顔見たさで材料費を奮発するイタリアンが神泉にオープンした。前菜、パスタ、メインに「これこそは!」と選んだ素材をぶつけてくる。胃袋の準備はよろしいか?

photo: Shin-ichi Yokoyama / text: Mamiko Kume

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Luna e Gatto(神泉)

生産者との太いパイプと目玉食材で勝負

オーナーシェフの山中啓輔さんは、コストパフォーマンスの高さでも知られるイタリアン、西麻布〈ダルマット〉の卒業生。在籍した17年間のうち10年はシェフとして活躍し、新天地の神泉で自分の城を構えた。

熱意ある生産者と信頼関係を築き、稀少価値の高い食材を見つける目と嗅覚を備える山中さん。

例えば、夏には岩手県洋野町種市産の生ウニ。これからの時季は北海道噴火湾の毛ガニや仏産モンサンミッシェルのムール貝も登場。さらには静岡〈長谷川農産〉のジャンボマッシュルームと滋賀産・近江鴨のローストでは、どちらも手を加えすぎず調理はシンプルに。丁寧な火入れが際立つスペシャリテだ。

メニューはおまかせコース1本のみ。前菜の後に冷たいパスタ、メインの後には温かいパスタと2段構えの構成も目新しい。

「コースは定額でプラス料金はいただきません。ワンオペでロスを減らした分はお客様に還元したい」との心意気や、よし。

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