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グルマン温故知新:広尾〈La Trattoriaccia〉トスカーナで魅せられた味を、真っすぐ伝える

テーマごとにレストランを紹介するブルータスの人気連載。今回のテーマは「在伊15年超」。トスカーナ州に長く暮らしたシェフによるゴリゴリの郷土料理店のイノベーティブなファインダイニング。料理人としてのキャリアの大半をイタリアで過ごしたシェフの表現を。

Photo: Hisashi Okamoto / Text: Haruka Koshihara

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La Trattoriaccia(広尾)

トスカーナで魅せられた味を、真っすぐ伝える。

2016年までの16年間イタリアで経験を積み、うち13年半をフィレンツェとシエナで過ごした河合鉄兵シェフが開店。それだけに、メニューにはトスカーナ州の名物料理の名前が頻出する。前菜の盛り合わせに入っているポルケッタやポルペッティーネ(ミートボール)、ペポーゾ(牛肉の黒コショウ煮込み)etc.。トスカーナ料理好きなら、喉が鳴る布陣だ。

調理師学校を卒業し、地元・京都のイタリアンを経て渡伊。

最初に住んだシエナの田舎町で“よく働き・よく休め”な、イタリア人の人間らしい暮らしぶりに惹かれた。だから「一生住むつもりでいた」が、トスカーナの味を日本で、と思うに至り帰国。昨年の開業に至る。

ゆえに味もボリュームも、自分が惚れ込んで現地で作っていたそのまま、が信条。本国と遜色ない食材や愛用の調味料が入手できる状況も、追い風に。トスカーナ愛みなぎる料理は、イタリア人にも早くも評判だ。

広尾〈LaTrattoriaccia〉シェフの河合鉄兵さん
都内で唯一土地勘がある港区内に開店したかった、と河合さん。
広尾〈LaTrattoriaccia〉店内
店内のあちこちに、イタリアで集めた調理器具や本が並ぶ。

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