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グルマン温故知新:銀座〈FARO〉日本の食材への敬意と美意識の溢れるコース

テーマごとにレストランを紹介するブルータスの人気連載。今回のテーマは「在伊15年超」。ローマのホテルや星付きレストランで腕を磨いた後北欧に渡ったシェフによる、イノベーティブなファインダイニング。料理人としてのキャリアの大半をイタリアで過ごしたシェフの表現を。

Photo: Hisashi Okamoto / Text: Haruka Koshihara

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FARO(銀座)

日本の食材への敬意と美意識の溢れるコース。

席に着くと、卓上には百数十種以上の食材・調味料の名前が五十音順に並ぶカードが。その日のコースに使われるものすべてが書かれており、どんな皿が登場するか期待を高める演出。

イタリアで20年の経歴を持ち“イタリアで最も有名な日本人シェフの一人”といわれる能田耕太郎さんが、〈ファロ資生堂〉のフルリニューアルに伴いエグゼクティブシェフに就任した。もはやイタリアンではないイノベーティブなコースは、特製の漆器に盛られた「八寸」からドルチェまで十数品で構成。

「イタリア料理の哲学は、その土地でとれた旬の素材を使うこと」という能田さん。日本全国を訪ねて出会った旬の食材をシンプルに料理する。定番の皿を極力設けない方針も、前述のフィロソフィに沿うためだ。

イタリアで経験を積んだシェフパティシエ・加藤峰子さんを筆頭とするスタッフとのチーム力で、銀座発・世界基準のガストロノミーを目指す。

銀座〈FARO〉エグゼクティブシェフの能田耕太郎さん
リニューアルに合わせて全面改装した厨房で腕を振るう能田さん。
銀座〈FARO〉店内
インテリアは青を基調に、和洋の素材を融合させている。

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