大衆酒場こいさご大井町本店(大井町)
飲ん兵衛による、飲ん兵衛のための新・大衆酒場
藍色の暖簾(のれん)をくぐると、目に飛び込んでくるのは低くて長いコの字カウンター。壁には、名物料理や酒の名前を認(したた)めた半紙。「飲むぞ!食べるぞ!」という酒飲み心が掻き立てられる。
店主の綿貫和人さんは、無類の大衆酒場好き。老舗や評判の店を飲み歩くうちに「自分の店を開きたい」と思い描くように。40歳を機に、約20年間勤めた会社を辞め、ついに店を持った。
厨房を任されているのは、料理一筋20年の荒井克也さん。綿貫さんは接客、そして店の雰囲気を保つことに心を砕く。まったくの異業種からの転身と感じさせない、すっかり板についた様子は酒場通いの賜物か。「お客さんとの接し方もですが、つまみやお酒の種類が多すぎて迷う品書きや、毎日でも来てもらえる値付け、どれもいろいろなお店のいいトコどりです」
料理の盛りが控えめなのは、1人か2人でサクッと楽しんでほしいから。長っ尻は無粋、様子がいい酔客を目指したい。