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グルマン温故知新:大井町〈大衆酒場こいさご大井町本店〉飲ん兵衛による、飲ん兵衛のための新・大衆酒場

テーマごとにレストランを紹介するブルータスの人気連載。今回のテーマは「小上がりかコの字か」。酒場をこよなく愛する男が、夢を形にした店を開いた。酒場への思慕が募り、脱サラして開業。酒場好きに愛される“止まり木”になる予感が。

photo: Shin-ichi Yokoyama / text: Haruka Koshihara

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大衆酒場こいさご大井町本店(大井町)

飲ん兵衛による、飲ん兵衛のための新・大衆酒場

藍色の暖簾(のれん)をくぐると、目に飛び込んでくるのは低くて長いコの字カウンター。壁には、名物料理や酒の名前を認(したた)めた半紙。「飲むぞ!食べるぞ!」という酒飲み心が掻き立てられる。

店主の綿貫和人さんは、無類の大衆酒場好き。老舗や評判の店を飲み歩くうちに「自分の店を開きたい」と思い描くように。40歳を機に、約20年間勤めた会社を辞め、ついに店を持った。

厨房を任されているのは、料理一筋20年の荒井克也さん。綿貫さんは接客、そして店の雰囲気を保つことに心を砕く。まったくの異業種からの転身と感じさせない、すっかり板についた様子は酒場通いの賜物か。「お客さんとの接し方もですが、つまみやお酒の種類が多すぎて迷う品書きや、毎日でも来てもらえる値付け、どれもいろいろなお店のいいトコどりです」

料理の盛りが控えめなのは、1人か2人でサクッと楽しんでほしいから。長っ尻は無粋、様子がいい酔客を目指したい。

大井町〈大衆酒場こいさご大井町本店〉店主の綿貫和人さん(右)、荒井さん(中央)、広岡さん(左)
綿貫さん(右)が絶大な信頼を置く荒井さん(中央)と広岡さん(左)
大井町〈大衆酒場こいさご大井町本店〉店内
スカッと潔いカウンター。窓側は立ち飲みエリアに。

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