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グルマン温故知新:目黒〈Kabi〉日本の伝統食文化をガストロノミーの舞台へ

テーマごとにレストランを紹介するブルータスの人気連載。今回のテーマは「日本を発信する店」。ガストロノミーの新時代を拓いた美食都市・コペンハーゲンの星付き店で修行した若きシェフ。着目したのは日本の食文化の豊かさ。信頼できるパートナーを得て、レストランシーンをアップデート。

Photo: Naoki Tani / Text: Kei Sasaki

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Kabi(目黒)

日本の伝統食文化をガストロノミーの舞台へ。

大阪、東京の有名フランス料理で修業後、デンマークに渡った安田翔平さんは、コペンハーゲンの1ツ星〈カドー〉の厨房で使われている発酵保存食材が日本の発酵食品とも共通することに気づく。発酵、だしといった日本の伝統食文化が世界で注目されているのに、国内でそれらにフォーカスした店がないことに可能性を感じ、帰国。2017年、26歳で店を開いた。

自家製発酵調味料を駆使し、手でつまむ寿司や漬物を一皿の料理に。ワインに加えビール、日本酒、カクテルと自在なペアリングを組み立てる江本賢太郎さんも各国でサービスやワインの醸造を学んだ28歳のスペシャリストだ。

北欧系モダンフレンチともクリエイティブ懐石とも違う古くて新しい「日本の料理」を提案するファインダイニングの誕生。平均年齢25歳、持ち場もキャリアも関係なし、同じユニフォームの6人のチームがオープンキッチンを動き回る姿にも新時代の到来を感じる。

目黒〈Kabi〉の江本さん(左)と安田翔平さん(右)。
江本さん(左)と安田さん(右)を筆頭に、スタッフのチームワークも抜群。
目黒〈Kabi〉の店内
オープンキッチンに面したカウンター席が中心。

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