キッチンかねじょう(幡ヶ谷)
自家製パンも美味、立ち飲みスパイスビストロ。
わずか6坪の立ち飲み屋だが、テイクアウトもできるし、週に3日は朝食営業もあり。いわく「飲める惣菜屋」。店主の上松晃大さんが料理を作り、妻の菜穂さんがパンを焼く。テイクアウトは「容器持参でオマケします」「パンは3切れ200円~」という親しみやすさだが、料理の味は、「立ち飲み屋」から想像するレベルを軽々超えてくる。
上松さんは、恵比寿や丸の内のビストロやビアバーでシェフを歴任。独立前に下北沢〈旧ヤム邸〉でスパイスの奥深さに触れ、渋谷〈アヒルストア〉でナチュラルワインとカウンターでの接客を学んだ。
素材の味を持ち上げるスパイスの効かせ方も、塩気や酸味でメリハリをつけるビストロ料理もプロの仕事だが「カレーとナチュラルワインもアリ、シャルキュトリーと芋焼酎でも」という自由度は家庭の食卓の延長線上。個の商いが残る六号通り商店街の一角。夫妻の気取りのない客あしらいも、町にしっくりと馴染んでいる。