銀座かつかみ(銀座)
ルールを守って、とんかつをもっとおいしく。
店主の日向準一さんいわく、「とんかつは蒸し料理」。だから衣は肉にピタッと隙間なく、肉汁を逃さず揚げる。パン粉はベスト30から、山形県産米沢豚に合う気持ち細かめをセレクト。揚げ油はラードとサラダ油をブレンドし、コースは昼は2切れ、夜は1切れずつ。いろいろな部位を味の薄い順に食べさせる。
スペシャリテのヒレ肉は揚げた後に網の上で休ませ、肉汁を落ち着かせてから両サイドの衣をカット。パン粉ではなく、あくまで肉の味を堪能してほしいとの思いゆえ。まずは表面に浮かぶ肉汁を「シュッ」と吸ってから味わうのがルール。ロースも衣ではなく肉側、それも脂身から食べると旨いそう。わさびを添えたリブロース、トリュフバターが香る肩ロースと趣向を凝らし、トマトの出汁サラダやにんじんドレッシングで食べるキャベツは、うれしい口直しだ。
揚げ物ずくめのコースだが、食後は不思議なほどすがすがしい。もう一巡してもいいほどに。