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グルマン温故知新:銀座〈銀座かつかみ〉ルールを守って、とんかつをもっとおいしく

テーマごとにレストランを紹介するブルータスの人気連載。今回のテーマは「一気通貫肉コース」。肉人気は加速の一途、焼肉、ステーキハウス、焼き鳥、羊、鴨と細分化傾向に。そんな中、いろいろな部位が1切れずつフルコースで味わえるとんかつの新店がオープン。消化力低下気味の胃袋をざわつかせる”肉特化型”のお店。

Photo: Hisashi Okamoto / Text: Mamiko Kume

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銀座かつかみ(銀座)

ルールを守って、とんかつをもっとおいしく。

店主の日向準一さんいわく、「とんかつは蒸し料理」。だから衣は肉にピタッと隙間なく、肉汁を逃さず揚げる。パン粉はベスト30から、山形県産米沢豚に合う気持ち細かめをセレクト。揚げ油はラードとサラダ油をブレンドし、コースは昼は2切れ、夜は1切れずつ。いろいろな部位を味の薄い順に食べさせる。

スペシャリテのヒレ肉は揚げた後に網の上で休ませ、肉汁を落ち着かせてから両サイドの衣をカット。パン粉ではなく、あくまで肉の味を堪能してほしいとの思いゆえ。まずは表面に浮かぶ肉汁を「シュッ」と吸ってから味わうのがルール。ロースも衣ではなく肉側、それも脂身から食べると旨いそう。わさびを添えたリブロース、トリュフバターが香る肩ロースと趣向を凝らし、トマトの出汁サラダやにんじんドレッシングで食べるキャベツは、うれしい口直しだ。

揚げ物ずくめのコースだが、食後は不思議なほどすがすがしい。もう一巡してもいいほどに。

銀座〈銀座かつかみ〉店主の日向準一さん
ホテルや飲食店のメニュー開発、コンサル業にも精通する日向さん。
銀座〈銀座かつかみ〉店内
銀座の中心地に位置。昼夜ともに早めの予約がお勧めだ。

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