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グルマン温故知新:大塚〈四川料理 花重〉火鍋が主役、名店の味を受け継ぐ四川料理店

テーマごとにレストランを紹介するブルータスの人気連載。今回のテーマは「火鍋ハイ&ロー」。ギラギラ系から回転火鍋まで、中国発の店が次々に上陸。創作をウリにする日本の店も続いて、火鍋はいま、ちょっとしたブーム。そんな中、四川料理の名店の味を継承する店が登場。ハレの日も一人ご飯も、ヘルシーな火鍋を!

photo: Yoichiro Kikuchi / text: Kei Sasaki

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四川料理 花重(大塚)

火鍋が主役、名店の味を受け継ぐ四川料理店

創業28年の四川料理店〈趙楊〉のオーナーシェフ趙楊さんを父に持つ花重さんと、夫の田中宏茂さん。同店で愛された火鍋をメインに、夫妻で四川料理の店を開いた。常時6種揃うスープから、好みの3種を選べる三色火鍋が名物。

麻辣、白湯に加え、14種のキノコが入る薬膳スープ、地鶏から3日間かけてとる清湯と老酒のスープなど、すべて〈趙楊〉の料理のベースを作る味だ。

「四川料理は色彩も大事で、食材や香辛料の組み合わせは、デッサンや選曲にも通じる」と話す田中さん。もともとは音響のプロ。趣味の油彩画のセンスを趙楊さんに見込まれ、料理の道に導かれたという異色の経歴の持ち主だ。

前職時代から大事にしていた技術と文化への敬意を武器に誠実に経験を重ね、お墨付きをもらって店を開くまでに。現地の味や食習慣に深く通じながら、おっとりとした花重さんの接客も魅力で、飛び切りの味を家庭的な雰囲気で楽しめる。

大塚〈四川料理 花重〉店員の田中宏茂さん
田中さん。多いときは年に4回、趙楊さんの四川旅に同行し、味を体得。
大塚〈四川料理 花重〉店内
落ち着いたしつらえ。壁の油彩画も田中さんの作品。

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