歌舞伎座裏 まさし(東銀座)
趣ある佇まいと驚きのあるメニューが持ち味。
「名は体を表す」の言葉通り、歌舞伎座の真裏、路地に面した一軒家。店主の加藤将史さんは、調理師学校卒業後、地元・千葉の有名中華料理店や和食店を経てなかむら系列の〈銀座KAN〉へ。6年半の勤務中に料理長も経験し、系列の青山〈GOSU〉をサポートした後、この6月に満を持して独立開業した。「中村さんに学んだことは“潔さ”」
と加藤さん。「料理の構成や盛り付け方、接客も簡潔さを心がけています」
河岸に仕入れに行きやすいからとこの地に店を構えただけに、鮮魚料理には力を入れる。お造りや炭火焼きの魚は常時数種類を揃え、コースでは鮨も出す。
一方で“なかむら系”らしい創作料理にも力を入れていて、焼サンドはその好例。「鱧カツ」「曲者(奈良漬とゴルゴンゾーラ)」など、季節で具材が替わる。さらには、中華料理店での経験も生かし餃子、春巻など豚肉料理にも力を入れる。和食の枠にはまらない魅力がある店だ。