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グルマン温故知新:東銀座〈歌舞伎座裏 まさし〉趣ある佇まいと驚きのあるメニューが持ち味

テーマごとにレストランを紹介するブルータスの人気連載。今回のテーマは「"なかむら"一門」。1988年に開いた下北沢のバーを出発点に、現在は〈並木橋なかむら〉等の和食店を手がける中村悌二さん。今や系列店は8軒を数え、渋谷〈高太郎〉、門前仲町〈沿露目〉など、人気店の店主を多数輩出する。今年もOBが続々独立。師に学んだ新星の注目店。

Photo: Hisashi Okamoto / Text: Haruka Koshihara

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歌舞伎座裏 まさし(東銀座)

趣ある佇まいと驚きのあるメニューが持ち味。

「名は体を表す」の言葉通り、歌舞伎座の真裏、路地に面した一軒家。店主の加藤将史さんは、調理師学校卒業後、地元・千葉の有名中華料理店や和食店を経てなかむら系列の〈銀座KAN〉へ。6年半の勤務中に料理長も経験し、系列の青山〈GOSU〉をサポートした後、この6月に満を持して独立開業した。「中村さんに学んだことは“潔さ”」
と加藤さん。「料理の構成や盛り付け方、接客も簡潔さを心がけています」

河岸に仕入れに行きやすいからとこの地に店を構えただけに、鮮魚料理には力を入れる。お造りや炭火焼きの魚は常時数種類を揃え、コースでは鮨も出す。

一方で“なかむら系”らしい創作料理にも力を入れていて、焼サンドはその好例。「鱧カツ」「曲者(奈良漬とゴルゴンゾーラ)」など、季節で具材が替わる。さらには、中華料理店での経験も生かし餃子、春巻など豚肉料理にも力を入れる。和食の枠にはまらない魅力がある店だ。

東銀座〈歌舞伎座裏 まさし〉店主の加藤将史さん
鰹のサクを燻す加藤さん。こうしたプロセスが見られるのもカウンターの魅力。
東銀座〈歌舞伎座裏 まさし〉店内
厨房のタイル壁がアクセントになった空間。

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