慈華(外苑前)
国産食材で伝統の古典料理を現代版にアレンジ
店舗の老朽化に伴い閉店した〈麻布長江 香福筵〉のオーナーシェフ田村亮介さん。新店では食材を慈しみ、素材の持ち味を尊重する方向へシフトした。
千葉、石川、香川など日本各地から産直される有機野菜。長崎・五島列島のハタやクエ、島根のナマコ、和歌山のサワラ、函館の噴火湾からはボタンエビが登場する。「普通の食材でもおいしくするのが中華料理。それなら選りすぐりの食材を使えばもっとおいしくなる」というのが田村さんの考え。20年以上前から化学調味料不使用、「素材の持ち味を超したくない」と味つけも最低限にとどめる潔さ。
ガツ(胃袋)の詰め物や大ハマグリを彩る翡翠、澄ましスープの清湯など、伝統的な中華の技法とモダンな盛り付けで古典と現代を結びつける。
「四川料理は24の味つけがありバリエーションがつけやすい。コースは淡い味の前菜から刺激的な味わいの主菜と、メリハリを効かせています」と太鼓判。