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グルマン温故知新:恵比寿〈韓国食堂入ル 坂上ル〉女将の味をそのままに。目指すは蔘鶏湯の聖地

テーマごとにレストランを紹介するブルータスの人気連載。今回のテーマは「東京進出コリアン」。これまでも日本人の胃袋をわしづかみにしてきた韓国料理。恵比寿にお目見えした新店。参鶏湯、お馴染みの定番ながら、座布団2枚、目からウロコの味わい。ディープコリアンの世界へようこそ!

Photo: Hisashi Okamoto / Text: Mamiko Kume

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韓国食堂入ル 坂上ル(恵比寿)

女将の味をそのままに。目指すは蔘鶏湯の聖地。

大阪・鶴橋にある完全予約制の韓国料理店〈韓味一〉。創業四十数年という同店の女将で母の朴三淳さんの味を受け継ぎ、コースの締めで人気だった蔘鶏湯の専門店〈韓国食堂入ル〉を大阪・福島にオープンした代表の山崎一さん。「〈韓国食堂〉を蔘鶏湯の聖地にしたいねん!それには大阪一極集中ではだめ」と、東京進出。自ら乗り込み、普及に努める今日この頃だ。

大きめの丸鶏にこだわり、しっかりともち米を詰め、高麗人参とニンニク、ナツメを一緒に炊いたスープでシンプルに。食べ手が味つけするのが一般的だが、あらかじめ味を決めて提供するのも女将譲りのスタイル。

活ワタリガニのケジャン、ナムルやキムチもはっとするほど洗練され、味にまとまりがあり滋味深い。評判の高さも頷ける。「季節感のある和食と違い、いつも変わらず同じものを食べられるのが韓国料理の魅力」とは女将の弁。安くて旨いを貫く優良店。以後、お見知り置きを。

恵比寿〈韓国食堂入ル 坂上ル〉店長の小林彩子さん
大阪〈韓国食堂入ル〉の創業スタッフだったという店長の小林彩子さん。
恵比寿〈韓国食堂入ル 坂上ル〉店内
店内はコンクリート打ち放しのモダンな空間。

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