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グルマン温故知新:外苑前〈いろ鳥〉銘柄鶏×2つの熱源で編み出す焼き鳥の注目店

テーマごとにレストランを紹介するブルータスの人気連載。今回のテーマは「力が湧く炭火焼き」。気をもむ情勢が続いている中でも奮起して新店がオープン。特徴は「炭火で焼いた肉がうまい」こと。最も原始的であると同時に、良い素材の持ち味をぎゅっと閉じ込められる調理法「焼く」を味わって、心身のエネルギーを補給したい。

Photo: Yoichiro Kikuchi / Text: Haruka Koishihara

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いろ鳥(外苑前)

銘柄鶏×2つの熱源で編み出す焼き鳥の注目店。

店主の張ヶ谷栄司さんは、腕利きの焼き鳥職人を多数輩出する西麻布〈鳥よし〉で6年間修業した。その後地元である埼玉・大宮で〈焼鳥 鳥せい〉をオープン。名店仕込みの腕前で、たちまち人気店へと上り詰めた。程なくもう一軒を出店し、調子は上々。が、「やっぱり焼き鳥店が多数ひしめく都内で勝負したい!」という思いが募り、この春、南青山に店を構えた。

焼き方の基本は〈鳥よし〉譲りの「近火の強火」ながら、備長炭に加えて電気の焼き台も取り入れているのが張ヶ谷さん流。「1分間で600℃まで上がり熱量が安定しているので、部位の特性に合わせて活用しています」。

例えば脂が滴る「かわ」は、炭火で焼くと温度が落ちるため前半は電気で。「レバー」はふっくら仕上がる炭のみで、といった具合だ。扱う鶏の銘柄も「甲州地どり」「伊達鶏」「ふもと赤鶏」など数種類に及ぶ。豊富な経験値でそれぞれの肉質を見極め、極上の一本を供する。

外苑前〈いろ鳥〉店内
店内で目を引くカウンター後ろの壁面には、左官職人・久住有生さんの作品。
外苑前〈いろ鳥〉店主の張ヶ谷栄司さん
焼き台を切り盛りする張ヶ谷さん。

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