igora(自由が丘)
「思い」のある食材で、食べ心地の良い料理を。
「食後に体が軽い料理が好き」と坂井務シェフ。食材は直接生産者から、魚介は早朝自ら豊洲市場まで足を運び、信頼する魚屋から仕入れるこだわりよう。
カツオなら切れ味鋭い包丁で厚めに切りつけ、皮目を炙ってもち米の藁で焼き、たたきに。豊後の牡蠣も直前に殻を外しふっくらと火入れして手打ちのタリオリーニと。一貫しているのは「素材感」と「塩加減」。そこにイタリア料理のエッセンスと遊び心がプラスされ、シェフのロジックが皿上に垣間見える。
三軒茶屋〈ブリッカ〉で腕を磨き、この店でも受け継ぐのは「完成されていてずっと食べ続けられる」料理。メインの肉にしても焼き加減は申し分なく、塩の決め方、酸味のバランスはお手のもの。メリハリを効かせて、次の皿へときっちり繋ぐ。
1,000本収納可能なウォークインセラーを設けたのも、造り手の思いを感じながらワインを楽しんでほしいから。居心地のよさも住宅街ならでは。