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グルマン温故知新:茅場町〈HOPPERS〉スパイスの名手によるモダンスリランカ

テーマごとにレストランを紹介するブルータスの人気連載。今回のテーマは「オフィス街で島カレー」。日本一の証券街として知られる兜町(かぶとちょう)。ビジネスマン御用達のスタンダードな飲食店が多そうな街に、スリランカの食文化を伝える専門店がオープン。ひととき、アジア旅行気分を。

photo: Hisashi Okamoto / text: Haruka Koshihara

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HOPPERS(茅場町)

スパイスの名手によるモダンスリランカ。

2003年に押上〈スパイスカフェ〉を開き、南インド料理をベースに、日本の食材の魅力を引き出すスパイス料理を提案してきた伊藤一城さん。新たな一手として、再開発によって個性的な店が増えつつある兜町に、スリランカ料理店を開いた。

「スリランカ料理をベースにしたメニューは〈スパイスカフェ〉でも以前から作っていましたが、新店のテーマは“日本から世界に向けて発信する新・スリランカ料理”です」と伊藤さん。

昼はスリランカでポピュラーな定食「ライス&カリー」を。ご飯に複数のおかずを盛ってカレーとともに食する本場のスタイルは踏襲しつつ、産地直送の旬の野菜を使い、種類も豊富にしてぐっとグレードアップ。

一方、夜のコースは白湯で始まり前菜、スリランカ固有のスパイスを巧みに効かせた魚・肉料理にカレー……と続くが、食後感はあくまで軽やかで心地よい。スリランカの知恵と日本の素材とが、美しく結実している。

茅場町〈HOPPERS〉シェフのマヘシュ・ラサンタさん
シェフのマヘシュ・ラサンタさんは〈スパイスカフェ〉での勤務経験あり。
茅場町〈HOPPERS〉店内
色彩を抑えグレーを基調にしたシンプルな空間。

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