渋谷〈Henderson〉
パンとフランス郷土料理とナチュラルワインを
グルメ激戦区の奥渋エリアにオープンしたこちらは、人気イタリアンの〈CHOWCHOW〉、魚介ビストロ〈PEZ〉の姉妹店。クラシックビストロを謳うだけに、黒板メニューには根セロリのレムラードやカスレといった伝統的な定番がずらりと並ぶ。
タルタルドブッフ
赤身の強い牛のもも肉を使用。表面をしっかり焼いてトリミングをし、粗挽きに。エシャロットやケッパー、マスタードで味にメリハリをつけ、隠し味には肉の旨味を引き立てるという赤味噌を加えるのがヘンダーソン流。単調にならないように、パセリは多めで。自慢のバゲットと合わせたい。1,800円。
カイエット
挽き肉を網脂で包み焼き上げたフランス南部の郷土料理。今回は仔羊を粗挽きにして使用。コリアンダー、クミン、カルダモン、マジョラムと4種類のスパイスを効かせて。コショウが香るポートワインソースで。2,600円。
カニと根セロリのレムラード
ビストロ定番のメニュー。レムラードソースに蜂蜜の甘味を加え、軽めに仕上げた前菜。魚介の旨味とエシャロットの食感、ビネガーの酸味、パセリの風味が調和する。キリッと冷えた白ワインとどうぞ。1,400円。
バゲット
シグネチャーの牛肉のタルタルにしてもフランス版ハンバーグのカイエットにしても、塩味の当たりは柔らか。
インパクトは十分あるのに味わいは軽やかで、モダンな雰囲気も今どきだ。「少量ずつ、いろんな料理を気軽にお召し上がりいただきたい」と小皿の仕立てで、ハーフポーションでの提供も厭わない。
ナチュラルワインはグラスで10種類以上をラインナップ。湯種製法による高加水のバゲットは、パン職人でもある店長の阿部淳樹さんたっての希望でお代わり自由。皮が薄く歯切れも抜群で、どんな料理も受け止める。
「最近見かけなくなった地味な料理も作っていきたい」とシェフの恵美滉一さんは意気込む。
シェフの恵美滉一さん（奥）と店長、阿部淳樹さん（手前）。 
インテリアもシンプルでカジュアル。昼飲みもおすすめだ。
