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グルマン温故知新:銀座一丁目〈エシカ〉トラディショナルでエシカルなメキシカン

テーマごとにレストランを紹介するブルータスの人気連載。今回のテーマは「伝統とモダンの異国料理」。海外から足が遠のき、異国料理が恋しい昨今。日本にいながら現地の空気を感じさせる新店が登場。エシカルをコンセプトに伝統的な料理を追求するメキシカンでショートトリップを楽しもう。

photo: Shin-ichi Yokoyama / text: Mamiko Kume

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エシカ(銀座一丁目)

トラディショナルでエシカルなメキシカン

「スペインやヨーロッパの影響も受けながら、先住民時代からの食文化が発展してきたメキシコ料理。古くからの調理法が、今見ても理に適っているのも魅力」とは、代官山〈ラ・カシータ〉や本場メキシコでも腕を磨いた中島哲男さん。テクス・メクス(=メキシコ風アメリカ料理)等とは一線を画し、伝統的なメキシコ料理をモダンなプレゼンテーションで楽しませる。

象徴的なのが、ユカタン半島を代表するコチニータピビル。トルティージャはオアハカ産と北海道産のトウモロコシから作る。豚肉の脂、チレ(唐辛子)の辛味、ピクルスの酸味という構成を踏まえながら仕上げはモダンに。

シカ肉に合わせた唐辛子ベースの伝統ソース・モレネグロも「オアハカの有名なおばあちゃん料理人から教わった」レシピを再現。王道のソースは複雑で奥深い。店名の通り「エシカル」をキーワードに経産牛豚、規格外野菜等を取り入れるなど、ポリシーは一貫している。

銀座一丁目〈エシカ〉シェフの中島哲男さん
「盛り付けを少しモダンにする程度で味わいは伝統を大切にしています」とシェフの中島哲男さん。
銀座一丁目〈エシカ〉の店内
廃材が用いられた店内。

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