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グルマン温故知新:本所吾妻橋〈Étape〉エスプリの効いた下町のカジュアルフレンチ

テーマごとにレストランを紹介するブルータスの人気連載。今回のテーマは「住宅街でお肉を」。まずは野菜を主体に気の利いたアレンジが魅力の前菜を。メインでは、並々ならぬこだわりがありながら、気張らずに牛肉をカジュアルに楽しませる。日本人の胃袋が今、欲しがっているのは、きっとこんなスタイル。モリモリ英気を養える、大人好みの新店です。

photo: Shin-ichi Yokoyama / text: Mamiko Kume

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Étape(本所吾妻橋)

エスプリの効いた下町のカジュアルフレンチ

オーナーシェフの河村神賜さんはフランス・パリのビストロや星付きレストラン〈タイユヴァン〉等で8年間にわたり修業。帰国後は東京のレストランで料理長を経験し、このたび、本所吾妻橋で自店をオープンした。

ウニのパンペルデュに、〈プラザ アテネ〉の魚部門にいたシェフから学んだブイヤベースもエスプリの効いた味わいに舌を巻くが、肉料理はそれをしのぐ。メインは、滋賀の精肉店〈サカエヤ〉の新保吉伸さんが手当てした牛肉。

近江牛ランプなら、高温の油を何度も回しかけてアロゼし、オーブンで焼いては休ませ、休ませては焼きを繰り返す。「北京ダックの感覚。この焼き方だと胃の負担も少ないようで、お客さまの食べる量が増えました」と、河村さん。

前菜は彩り良く健康的で、個性を表現できる野菜が中心。極力生に近い状態で調理し、1ツ星仕込みの「いじりすぎず、輪郭を残せ」を実践中。おかげで満足度は高く、体も軽やか。

本所吾妻橋〈Étape〉オーナーシェフの河村神賜さん。
大阪府出身、話し上手なオーナーシェフの河村神賜さん。
本所吾妻橋〈Étape〉店内
カウンター主体の店内は木を生かした明るくナチュラルな雰囲気。

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