チェスト船堀(船堀)
あの手この手で、パンをもっとおいしく。
「ブルスケッタは寿司、サンドイッチは丼、煮込みとパンは定食だと思うんですよね」と聞いて、なるほど、と納得。13品前後のメニューのうち、10品近くがこのいずれか。「パンを食べて」という熱が伝わってくる。
〈パーラー江古田〉や〈清澄白河フジマル醸造所〉でパン作りとワイン、料理を学んだ西野文也さんが開いた“パン屋角打ち”。パンやワインの買い物だけでもオッケー、ブルスケッタをつまみに軽く一杯も、煮込みとワインでちゃんと食事もありだ。
5~6種の国産小麦をパンに合わせて使い分けているのもユニーク。福岡産ミナミノカオリのカンパーニュは甘味にミルキーさがあり、東京産の柳久保小麦のふすまパンは、クラストが醤油せんべいのよう。肉、卵、野菜の旨味をストレートに生かしたサンドイッチの具材や煮込みをガシッと受け止め、ワインが止まらなくなる。東京の東の端っこに、新しい人の流れを生む店になりそうだ。