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グルマン温故知新:武蔵小山〈ブルペン〉その一貫に魂を込める、熱闘「寿司」甲子園

テーマごとにレストランを紹介するブルータスの人気連載。今回のテーマは「名寿司処の立ち食い」。速い、安い、旨いの三拍子揃った寿司は江戸のファーストフード。原点回帰した町寿司の人気が高まる中、今や立ち食い寿司が新潮流に。若手職人育成の場として人気店の流れを汲むお店です。寿司新時代の到来!

Photo: Yoichiro Kikuchi / Text: Mamiko kume

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ブルペン(武蔵小山)

その一貫に魂を込める、熱闘「寿司」甲子園。

不動前〈鮨 りんだ〉〈らんまる〉の系列店として武蔵小山にオープン。野球の投手が肩を温めるブルペン=投球練習場の名の通り、本店での先発登板を目指して寿司を握り込む、若手職人養成所という位置づけだ。

品書きは11貫構成のコースとお好みの二刀流。例えばマグロなら、香りと脂が引き立つよう60℃に温めたネタ皿で人肌にしてから、炊きたての酢飯で握って1貫目に提供する。魚の種類や大きさに応じて包丁で丁寧に切れ目を入れ、酸化しやすいネタは直前に切り身にするなど、ベテランクラスの徹底ぶりだ。

羽釜で炊く山形産コシヒカリに10年熟成の赤酢と白酢をブレンドした酢飯は、口の中でネタと渾然一体に。短時間で提供できるよう二手で仕上げる握りは形もいい。江戸前らしいストレートなネタもあれば、隠し球もあり。味噌と具にこだわる日替わりの味噌汁でゲームセット。

BGMにブラバンの応援歌が流れ、店内の一体感は半端なし。

武蔵小山〈ブルペン〉店主の佐々木男駆さん
母方の実家が魚屋の店主・佐々木男駆さん(25歳)
武蔵小山〈ブルペン〉店内
焼き杉のカウンターをメインにお品書き等、意匠も凝ったモダンな店内。

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