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グルマン温故知新:新日本橋〈鳥料理 ぼたん〉老舗の新たな挑戦、季節の創作料理にも注目

テーマごとにレストランを紹介するブルータスの人気連載。今回のテーマは「夜の日本橋、いい肉はコースで」。かつて東京・日本橋には魚河岸があった。今に続くカツオ節や海苔(のり)の専門店などもその名残。令和の今、伝統の鳥すきやきを個室で味わえる鳥料理店など、肉料理のよき店が増加中。今回は日本橋で鶏を食そう。

photo: Yoichiro Kikuchi / text: Michiko Watanabe

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鳥料理 ぼたん(新日本橋)

老舗の新たな挑戦、季節の創作料理にも注目

神田・淡路町で創業以来、100年以上暖簾(のれん)を守る鳥料理店〈ぼたん〉。店名は花の牡丹ではなく、洋服のボタンから。洋服が普及し始めた頃で、モダンでおしゃれの象徴として名づけられたとか。その風情を残しつつ、新日本橋の美食ビルで、老舗の新たな挑戦が始まった。

エレベーターを降りると、日本を代表する左官職人・久住有生(なおき)氏によるアートの壁が出迎えてくれる。大広間の追い込み席、個室は5名以上という本店と異なり、こちらは4名の個室が5つ、それも椅子席という造り。各個室の入口にはボタンをあしらった刺繡のサインが。

自慢の鳥すきは、炭火ではなくしゃれたガス台に取っ手なしのシンプルな鍋で供される。コースのみで「鳥すきやきコース」と、ジビエなども用いた創作鳥料理が併せて堪能できる「季節のおすすめコース」の2種あり。どちらも核となるのは伝統の鳥すきやき。一物全体を味わえる満足感たるや。〆は親子丼。

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