bistro amano(神保町)
味は人なり、職人気質なシェフの気骨あるビストロ。
シェフの天野直樹さんは東京・日本橋にある〈ビストロ トラディシオン〉の出身。得意とするのが、黒板メニューの3分の1を占めるシャルキュトリー。豚肉のリエットに白レバーのムースなど、10種類を数える。
牛、豚、羊、鹿、鶏、鴨と6種の肉を合わせたパテは、まとまりのある味わいに。豚頭ハム「ミュゾー」は、仔豚の頭を皮付きのまま仕入れる入れ込みよう。メインもしかりで、仔羊のローストは強めの火入れで肉本来の香りを立たせ、脂身は香ばしく、内部はふっくらジューシーに仕上げるのが狙い。正統派の料理も、自家製スパイスの香りで新鮮味と個性をプラスする。
パンやデザートまで自分一人でやりたい性分で「基本的なものをしっかり作りたい。終わりはないですね」と、天野さん。職人気質な夫の料理にワインを合わせるのは、ワインバーの名店で経験を積んだソムリエールでマダムの通子さん。老舗が消えゆく神保町に希望の光!