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グルマン温故知新:白金高輪〈atti〉昼夜とも、ゆったりとコースが楽しめる隠れ家

テーマごとにレストランを紹介するブルータスの人気連載。今回のテーマは「“A”から始める独立オープン」。独立、開業する時につける店名は、店主の強い意志の表れだ。始まりにふさわしいAを頭につけたこの新店。attiの場合は、「a」はamuse、「t」はtryと、それぞれの文字に意味がある。

photo: Shin-ichi Yokoyama / text: Michiko Watanabe

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atti(白金高輪)

昼夜とも、ゆったりとコースが楽しめる隠れ家

ここ、隠れ家っぽい。大通りから少し入っただけでとても静か。カッコいい店内には凜とした空気が流れる。カウンターのハイチェアに座ると、自分までカッコいいと勘違いしそう。

昼夜ともコースのみだが、料理はいずれも美しく軽やか。野菜は飛騨高山で無農薬で伝統野菜と西洋野菜を育てる〈野村農園〉から。毎年、シェフが畑仕事を手伝いに行く農園だ。魚は市場だけでなく、漁師さんからも取り寄せる。

オーナーシェフの松野敦さんは料理人になる前は、精神保健福祉士だった。キャリアのスタートが遅かった分、自分で店を開くための目標をしっかりと定め、どこか一軒で長く修業するのではなく、あちこちの店で段階ごとに必要なことを学び、豊洲でも働き、計画的にスキルアップしてきた。その学びを一品一品に込めていく。

特筆すべきはパン。焼きたてのカンパーニュには感動する。ワインが進むパンだ。旨い。

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