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グルマン温故知新:溜池山王〈arrosoir〉老舗の技×進取の精神が生む洋食フレンチ

テーマごとにレストランを紹介するブルータスの人気連載。今回のテーマは「フレンチの腕に覚えありの洋食屋さん」。明治時代にフランス料理を中心とする西洋料理が日本にもたらされ、その後日本人の味覚に合わせて独自に発展したのが、今日の洋食。共通する要素も多い「フランス料理」と「洋食」、両方の経験を持つシェフの新店は、古き良き味わいと新鮮味とが共存している。

photo: Shin-ichi Yokoyama / text: Haruka Koishihara

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arrosoir(溜池山王)

老舗の技×進取の精神が生む洋食フレンチ

シェフの新開才也さんは1905年創業の老舗西洋料理店、代官山〈小川軒〉で3代目店主の小川忠貞シェフの薫陶を受けた。その後は対照的なイノベーティブフレンチや北海道のオーベルジュへ。さらにカジュアルな業態も経験すべく、吉祥寺の人気店〈ビストロハッチ〉、同系列の〈トラットリアチッチョ〉や〈プルミエレタージュ〉に勤務。料理長も務めつつ、休みには日本各地の生産者を訪れた。

そうして貪欲に培った技術と、信頼関係を築いた全国の産地から届く食材を使い、フレンチのソースや技法を駆使する新開さん流の洋食が店の看板料理。ソースペリグーを添えたハンバーグや、ソースシヴェと合わせたクリームコロッケはその好例だ。

メニューはプリフィックス。アミューズが出て、その後の前菜・魚料理・肉料理を各4種類から選べるスタイル。オプションとしてカレーやナポリタンも控えているから、お腹をしっかり減らして臨むべし。

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