au deco(広尾)
クラシックな料理の魅力を咀嚼して今に伝える。
魚介に特化したフレンチ〈Äta〉、フォトジェニックなスパイスカレーの〈Good Luck Curry〉など、これまで比較的カジュアルな業態の店を手がけてきたシェフ、掛川哲司さん。が、経歴を紐解くと、実は〈オーベルジュ・オー・ミラドー〉〈NARISAWA〉など、フレンチの名店で修業を積んでいる。
そんな掛川さんが、40代突入を機に原点回帰ともいうべき、クラシックなフランス料理の魅力を紐解く店を開いた。「スープ」のカテゴリーが独立していたり、フランス料理の技法の結晶ともいえる「パイ包み焼き」が常にメニューにあったり。「自分がこの世界に入った頃に憧れた、フレンチのエスプリを感じさせる店が少ない今、師の教えを若い世代に伝えたい」という思いが出発点だ。古酒に力を入れているのも同様の理由。
「古典そのままだと“博物館”になっちゃう」から独自の感性も加えつつ、食後感はあくまで香り高く緻密なフランス料理だ。