ゲーム好きにとって京都といえば任天堂。そのライセンスアパレル〈THE KING OF GAMES〉を企画・販売する店が、五条界隈の路地裏にある。木造家屋の1階が店舗で2階がオフィス。そして地下空間が店主・江南匡晃さんのゲーム部屋だ。
「昔からごちゃごちゃした空間が好き。この部屋に下りてくると、ゲーム脳の引き出しが開くんですよね」
かつて防空壕だったという空間を改装し、友人の建築家が収納やデスクを制作した。床は足裏に気持ちいい人工芝で、椅子は世界初のキャスター付き回転椅子を作ったスイスの老舗〈giroflex〉製。壁面にはファミコンのカセットが前後2列にぴたりと収まるファミカセ専用棚も!
「レトロゲームを集め始めたのは20年前。どうしても欲しいレアカセットを買うために、自分のヴィンテージジーンズを売って軍資金にしたこともありました。ファミカセは1100本近く。景品的なもの以外は全種揃ってます。今はダウンロードソフトも多いけど、ファミコンってカートリッジがカラフルで、プロダクトとして賑やかでしょ。使わなくても手元に置いて眺めていたいんです」
2階のオフィスも常時ゲームができる環境に整えてあるけれど、この地下室は特別。人を招き入れることはほとんどない、自分だけの聖域だ。
「心がざわつく時はここにいるだけで落ち着くし、古いカセットの端子磨きに夢中になりすぎて、地上に出たら日が暮れてたなんてことも。好きなゲームに囲まれていると、時間の感覚がなくなっちゃいますね」