福井メトロ劇場が上映してきた上位10作品
1位
羅生門 (’50)
2位
追憶 (’73)
雨月物語 (’53)
愛のコリーダ (’76)
ローマの休日 (’53)
6位
理由なき反抗 (’55)
卒業 (’67)
カサブランカ (’42)
イージー・ライダー (’69)
アラビアのロレンス (’62)
4代にわたる老舗劇場を支えてきた、古き良き名作たち
福井駅を出て、商店街を抜けた先に立つ〈福井メトロ劇場〉。1953年創業の老舗映画館だ。そのランキングは、これまたクラシックな名作が並ぶ。亡くなった父の後を継ぎ、2016年から上映プログラムを手がける支配人の根岸佳代さんと、館主で弟の輝尚さんに話を聞いた。
「日本では今でこそ年に1000ほどの作品が劇場公開されますが、50年前は3分の2程度のものでした。旧作の特集上映を組むこともあって、誰もが知る名画が上位になるのは必然かもしれません。4K化もあり、近年も、上位の作品たちは再上映していますね。
女優・京マチ子特集で黒澤明『羅生門』や溝口健二『雨月物語』、先代が好きだった大島渚『愛のコリーダ』にマイク・ニコルズの『卒業』も。ほかの作品も、思えば私たちが子供の頃にここで観てきたものばかり(笑)。
ロバート・レッドフォード主演作の『追憶』と『スティング』はセットで観た覚えがあります。福井は保守的な気質が強いのか、尖った作品がウケにくいように思います。だから、名作揃いのこのランキングは納得感がありますね」と佳代さん。
一方で、トップ10に迫る近作もあったと輝尚さんが教えてくれた。「片渕須直監督『この世界の片隅に』は何度も上映しました。監督の登壇回は館主になって初めて満席になった思い出深い上映でもあります。これを機に独自のイベントも増えてきたので、ランキングが入れ替わる日もそう遠くないかもしれません」