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2021年の「副読本」。【星野源と新垣結衣が結婚】を読み解く3冊

一冊を何度も読み込むという読書の深め方もあれば、ある出来事について書かれたいくつかの本を読んでみるのも深める読書の一つといえるはず!ここでは、2021年にあったニュースをBRUTUSが独自にピックアップ。こんな裏側が⁉実はそういうことだった⁉そんな新たな視点や学びを得られる本をそれぞれ3冊ご紹介。

Illustration: Kanta Yokoyama / Text: Asuka Ochi, Keiko Kamijo, Ikuko Hyodo, Junya Hirokawa, Ryota Mukai

恋にまつわる価値観を
アップデートする

ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』で共演し、新しいパートナーシップの価値観を提示した2人がリアルでの結婚を発表。『逃げ恥』での男女間の対等な関係を結婚生活でも体現しているのだろうか。ドラマ同様に恋愛の当たり前を更新する3冊を。(清田隆之・文筆業、恋バナ収集ユニット〈桃山商事〉代表)

『差別はたいてい悪意のない人がする』

キム・ジヘ/著 尹怡景/訳

どれだけ親しい間柄でも相手は他人。恋愛においても互いが自立した個人として対等であることが大前提だと思います。いわゆるマジョリティとされる人が、自覚なく持っている差別意識を問題視した本。

特権や差別、排除の構造を、様々な事例を基に解説しています。自分が発した言葉が、受け取る人によっては別の可能性を持っているかもしれないと想像する力は、今後の恋愛でますます大事になってくるはず。

『差別はたいてい悪意のない人がする』キム・ジヘ/著
韓国で16万部を超えたベストセラーの訳書。性や人種をはじめあらゆる差別はそれに自覚のないマジョリティによって行われる。悪気なき差別の現状を可視化し、真の多様性と平等がいかに可能かを考える。大月書店/¥1,760

『日本のヤバい女の子 覚醒編』

はらだ有彩/著

浦島太郎やかぐや姫などの昔話を題材にしたエッセイ。

物語に描かれた女性への理不尽な“こうあるべき”を現代の視点で更新し、再解釈していきます。

『日本のヤバい女の子 覚醒編』はらだ有彩/著
昔話を現代語訳しながら、貼り付けられてきたレッテルや不条理な社会的基盤から女性を解き放つエッセイ集。彼女らの置かれた立場を想像し寄り添い、声に耳を傾け、新時代の物語として昇華していく。角川文庫/¥792

『こいわずらわしい』

メレ山メレ子/著

昆虫好きな著者が、他者の恋バナを標本採集するように集めて比較観察した当書。

旧来の恋愛観に寄りかからないフラットな目線の一方、恋愛感情というコントロールしがたい欲望の側面も描かれているのが面白いです。

『こいわずらわしい』メレ山メレ子/著
恋愛なしでも生きていけるようになりたいと思っているわりに恋愛が好きな、虫と旅を愛するエッセイストによる揺れる思いのコラム集。周囲のエピソードに自らの体験も織り交ぜつつ、恋愛について考える。亜紀書房/¥1,430