恋にまつわる価値観を
アップデートする
ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』で共演し、新しいパートナーシップの価値観を提示した2人がリアルでの結婚を発表。『逃げ恥』での男女間の対等な関係を結婚生活でも体現しているのだろうか。ドラマ同様に恋愛の当たり前を更新する3冊を。(清田隆之・文筆業、恋バナ収集ユニット〈桃山商事〉代表)
『差別はたいてい悪意のない人がする』
キム・ジヘ/著 尹怡景/訳
どれだけ親しい間柄でも相手は他人。恋愛においても互いが自立した個人として対等であることが大前提だと思います。いわゆるマジョリティとされる人が、自覚なく持っている差別意識を問題視した本。
特権や差別、排除の構造を、様々な事例を基に解説しています。自分が発した言葉が、受け取る人によっては別の可能性を持っているかもしれないと想像する力は、今後の恋愛でますます大事になってくるはず。
『日本のヤバい女の子 覚醒編』
はらだ有彩/著
浦島太郎やかぐや姫などの昔話を題材にしたエッセイ。
物語に描かれた女性への理不尽な“こうあるべき”を現代の視点で更新し、再解釈していきます。
『こいわずらわしい』
メレ山メレ子/著
昆虫好きな著者が、他者の恋バナを標本採集するように集めて比較観察した当書。
旧来の恋愛観に寄りかからないフラットな目線の一方、恋愛感情というコントロールしがたい欲望の側面も描かれているのが面白いです。