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「ナチュラルワイン、どう選ぶ?」特集 編集後記:ナチュラルワインの入口に

2022年5月16日発売 No.962「ナチュラルワイン、どう選ぶ?」を担当した編集者がしたためる編集後記。


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今回担当したBook in Book「NATURAL WINE BAR & RESTAURANT SHOP GUIDE 53」では、日本全国のナチュラルワインを取り扱うバー、レストラン、酒販店53軒と、その店主を紹介。ショップガイドでありつつ、注ぎ手となる店主のガイドでもあります。

僕自身この特集を始めるまでは、ナチュラルワインを飲んだことはあっても、造り手、ブドウ品種に関する知識はほとんどない状態。(もちろん取材前には本など参考資料を読み込みましたが)
「魚には白、肉には赤」、「白ならすっきり飲みやすいもの」程度の最低限のボキャブラリーで注文することがしばしば。なんとなく知っているペアリングや、馴染みの味で、注文してしまう。これはワイン初心者なら、誰にでも当てはまるのではないでしょうか。

そんななか、Book in Bookの取材へ。ほとんどの店主の話に共通していたのは「飲み手はもっと自由に身を任せてしまっていい」ということ。特に印象に残ったのは、鎌倉のナチュラルワインシーンのバブとなっている老舗酒販店「鈴木屋酒店」の番頭を務める江澤智佑紀さんの言葉。

「お客さんには“どんな気分ですか?”と聞くようにしてます。味わいを聞くと“すっきり辛口で”というように、その人が知っている味に限定されてしまう。言語化できていない欲求を満たす一本を提案できるようにしています」

なるほど、僕のような初心者であればあるほど、数少ない知識に頼るよりも、もっと自由に、店主に身を任せてみる。そうすることで、どんどん新しいワインに出会い、楽しみも広がります。

これからナチュラルワインを始めたい人なら、Book in Bookは強力なガイドになってくれるはず。そこにいけば、いつでも最高のワインに出会える、そんな店と店主を探してみてください。

クロ・フォンティーヌ フォジェール・トラ ディション 2017
誌面では各店舗のおすすめの1本も掲載。鈴木屋さんがおすすめしてくれたフランスの〈クロ・フォンティーヌ フォジェール・トラ ディション 2017〉ナチュラルワインの赤でよく言われる”薄旨”に対して、このワインは”濃い旨”な味わい。あまりに好きすぎてすでに3本も購入。

清水政伸(本誌担当編集)

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