EUROPE:ヨーロッパの新潮流
辺境グルメの“今”と古き良き伝統を知る。
ヨーロッパで美食というと西の方が登場しがちだが、年々世界の美食地図は変化している。
『ノーマ、世界を変える料理』はニューノルディック料理ブームの火つけ役となったコペンハーゲンのレストラン〈ノーマ〉の天才シェフ、レネ・レゼピに迫る。北欧の食材だけを用いたレストランというコンセプトは当初周囲からバカにされたが、彼は北欧の自然を徹底的に見直す。アリや花など農場や草原、樹木から食材を採取し、美しい料理に昇華させる。
![ドキュメンタリー『ノーマ、世界を変える料理』](https://brutus.jp/wp-content/uploads/2021/12/b765727d7c734dbda3a0c6e3f46d55ad.jpg)
既成概念にとらわれないレストラン〈ノーマ〉のシェフ、レネ・レゼピ。高級レストランのルールを度外視、斬新なアイデアと食材への探求心が光る料理を生む彼の内面に光を当て、4年密着。監督:ピエール・デュシャン。U-NEXTで配信中。
料理人エメリル・ラガッセの人気シリーズ『イート・ザ・ワールド』第1回も北欧が舞台。新北欧料理のシェフ、マーカス・サミュエルソンを訪ねスウェーデンへ。エチオピアで生まれ養子としてスウェーデンへ渡ったマーカスは移民がもたらす香辛料と北欧の自然が融合した料理を振る舞う。
![ドキュメンタリー『イート・ザ・ワールド ~エメリル・ラガッセと世界を食す~』](https://brutus.jp/wp-content/uploads/2021/12/5eac3bb7e9edd0d4427fbe004c3cc3ca.jpg)
『美味しい料理の4大要素』でシェフのサミン・ノスラットが向かったのはイタリア。オリーブ、パンチェッタ、チーズの生産現場を見て、現地の人と対話し、古くから自然とともにある食を体感する。
![ドキュメンタリー『美味しい料理の4大要素』](https://brutus.jp/wp-content/uploads/2021/12/5293eab3747af213f94fc54b23b07095.jpg)
フードライターとしても活躍するシェフのサミン・ノスラットが、おいしさを構成する4つの要素を巡り世界を旅する。第1回の「脂肪」では北イタリアへ。「塩」は日本、「酸味」はメキシコ、「熱」はアメリカへ。Netflix独占配信中。
ヨーロッパの東端に位置するジョージアで究極の自然派ワインを造る人々に密着した作品も。
グローバリゼーションが進む中、地元のアイデンティティを見出し、伝統をおのおのの方法で守り発展させる人々を見ることができる。
![ドキュメンタリー『ジョージア、 ワインが生まれたところ』](https://brutus.jp/wp-content/uploads/2021/12/6e97ce77855f5f110b26a7e4e2e2e3a1.jpg)
ヨーロッパとアジアの境にあり、多様な気候と風土、文化を誇るジョージア。侵略や支配にあえいだ歴史の中、守られ続けたクヴェヴリという壺を、土に埋めて野生酵母で発酵させる製法でワインを造る人々に密着する。U-NEXTで配信中。
AMERICA(NORTH & SOUTH):
人種のカラフルさに起因する多様性の源流を巡る旅。
アメリカ料理と聞かれたら?名称は出てくるだろうが、答えるのは難しい。人種のサラダボウル・アメリカは多様な食文化がある。まずは『腹ぺこフィルのグルメ旅』でカラフルな食を堪能しよう。
![ドキュメンタリー『腹ぺこフィルのグルメ旅 』](https://brutus.jp/wp-content/uploads/2021/12/33180e16c6fcbc28201f673bb236b108.jpg)
アメリカの有名なTVプロデューサーであり、大の食通としても知られるフィル・ローゼンタールが世界の美食を探る旅へ出る。陽気で食いしん坊なフィルが食べまくる姿は観ているだけで腹が減る!Netflixでシーズン1〜4独占配信中。
人の移動にも注目したい。イギリスからの移民やアフリカからの奴隷が、文化とともに料理をアメリカ大陸に持ち込んだ。
『アフリカからアメリカへ:米国料理のルーツを辿る』では、あまり語られてこなかった黒人料理に焦点が。最初に向かったのは奴隷貿易の要だった西アフリカのベナン。奴隷とともにスパイスや野菜が大陸へと渡った歴史や、伝統料理を研究し、実践する若者に光を当てる。
『A Film About Coffee』では新しいアフリカとのフェアな関係を構築するコーヒーロースターの姿が見られる。
![ドキュメンタリー『アフリカからアメリカへ:米国料理のルーツを辿る』](https://brutus.jp/wp-content/uploads/2021/12/364e13e6f6534f128dfd81c3dd91f4a0.jpg)
シェフの経験もある料理記者のスティーヴン・サターフィールドは自らのルーツでもあるアフリカと全米各地を旅し、多くの米国料理に影響を与えている。歴史書にはなかなか載らない黒人料理の歴史を探る。全4話。Netflix独占配信中。
![ドキュメンタリー『A Film About Coffee』](https://brutus.jp/wp-content/uploads/2021/12/fedc0e6eb84be8c5e24e0600ef27ff86.jpg)
コーヒーは一体どこからやってくるのだろう。豆の産地に出向き生産者と一緒に栽培方法なども検討したうえでダイレクトトレードをする人や、究極の一杯を求め豆や焙煎、抽出方法にこだわる人などを取材。監督:ブランドン・ローパー。
ラテンアメリカの食を堪能するなら『タコスのすべて』『ストリート・グルメを求めて』を。
特に後者は料理に安らぎを求めたムケッカ(ブラジルの魚介シチュー)売りの女性、家が燃えてゼロからスタートしたオアハカはメメラ売りの女性、化学の博士号を持ちペルーでセビーチェを売る男性など多様な料理と人生模様も楽しめる。
![ドキュメンタリー『タコスのすべて』](https://brutus.jp/wp-content/uploads/2021/12/2e4c56d56b41ce80232e41def8811e05.jpg)
![ドキュメンタリー『ストリート・グルメを求めて:ラテンアメリカ』](https://brutus.jp/wp-content/uploads/2021/12/b508ca4095e4966cd041d5c0dbbcd300.jpg)
屋台のスターたちに密着。ラテンアメリカ編ではアルゼンチン、ブラジル、メキシコ、ペルー、コロンビア、ボリビアの人々を訪ねる。苦労を笑い飛ばしながら料理をする彼らの姿は胸を打つ。Netflix独占配信中。
『Cooked』と『ミート・イーター』は作る行為を通して、食や自然と人間との関係を問う。アメリカ料理の複雑さを探ること、それは人種と社会について考えることにほかならないのだ。
![ドキュメンタリー『Cooked 人間は料理をする』](https://brutus.jp/wp-content/uploads/2021/12/a50bd4224f6a94eba21ece223c042c07.jpg)
料理好きの有名作家、マイケル・ポーランがナビゲーターとなり、同名の著書に基づき自然界の4つの要素「水・火・土・空気」をテーマに、世界中を巡る。食と科学・文化の関係、人はなぜ料理をするのかを紐解く。Netflix独占配信中。
![ドキュメンタリー『ミート・イーター 猟理の達人』](https://brutus.jp/wp-content/uploads/2021/12/59e0ea3716318b1cfc2463d984620def.jpg)