〈ブルーノート トウキョウ〉御用達の花屋さん。祐天寺〈イロトイロ〉

人気店の一角を飾るのも花屋の仕事。季節や店内の雰囲気に応じたオーダーメイドには、普段どんなやりとりが行われているのか。その舞台裏を聞いた。「〈ハミングバードコーヒー〉御用達の花屋。学芸大学〈ザ ダッフォディルズ〉」も読む。

Photo: Keisuke Fukamizu, Koichi Tanoue / Edit&text: Keiichiro Miyata

壁に浮かぶ陰影まで計算する

〈irotoiro〉フローリスト
三浦裕二さん

「花の咲き頃を店が賑わう曜日に合わせて準備しておくのが生け込みの基本です。ただ、毎日がライブ本番の〈ブルーノート東京〉はベストな表情を長くキープする必要がある。そこで、枝ぶりも良く、長く楽しめる花が生きてくる。ステージからカラーライトが照射された時、壁に映る花の陰影も面白い。暗がりならではの花の姿まで演出できる場所は、ほかにない」

東京 青山 ブルーノート ステージの生け込み
ステージ正面に設置されたバーカウンター横。ライトの光が当たり、人目につきやすい下部には、ツツジ、シャクナゲ、オンシジウムといった色のある花を飾り、上部は枝ぶりのいいグミの木で動きを出した。

〈BLUE NOTE TOKYO〉クラブマネージャー
田中奈津子さん

「生け込みは、ある意味、ジャズのセッションと同じ。感性の赴くままに自由に装飾した方が、一期一会の“驚き”が生まれると思いますので、すべてお任せしています」