奈良美智の創造の原点が常設展示に!
弘前れんが倉庫美術館(青森/弘前市)

「記憶の継承」をコンセプトに、明治・大正期の煉瓦造りの建物を建築家の田根剛が改修。エントランスで出迎えるのは、弘前市出身の奈良美智による《A to Z Memorial Dog》。
2024年には、かつて弘前に実在し、高校生時代の奈良が仲間と作ったロック喫茶《JAIL HOUSE 33 1/3》も常設展示に加わった。ほかにもジャン=ミシェル・オトニエルや和田礼治郎など、これまで展覧会に参加したアーティストの作品が館内各所で常設展示されている。
アートを通じて人を育み、町を創る
八戸市美術館(青森/八戸市)

約30年間にわたり親しまれた美術館を全面建て替え。満を持して誕生した新美術館は「出会いと学びのアートファーム」がコンセプト。
地域ゆかりの収蔵品を新たな視点で紹介する「コレクションラボ」をはじめ、専門性の高い個室群が、中央の巨大展示空間「ジャイアントルーム」を取り囲むように配置され、多様な鑑賞体験が可能に。アーティストとの交流、市民の創作や学びを後押しする。開かれた文化拠点として注目を浴びている。
日本屈指の収集をアナログ&デジタルで
アーティゾン美術館(東京/京橋)

1952年創設の〈ブリヂストン美術館〉が2020年、館名も建物も新たに開館。展示室の入口がある3階から5階の吹き抜けでは、空間デザインを手がけたTONERICO:INC.のオブジェが出迎える。
石橋財団コレクションを中心に古代美術や印象派から日本近代洋画、現代美術まで幅広く展示。約3,000点に及ぶ収蔵作品は、チームラボの「デジタルコレクションウォール」で常時デジタル展示しており、タッチパネルで自由に鑑賞できるのが楽しい。
活版印刷の魅力を再発見する
市谷の杜 本と活字館(東京/市ケ谷)

活字好きにはたまらない、活版印刷と本作りにまつわる施設。1926(大正15)年竣工、「時計台」の愛称で親しまれた建物の、床のモザイクタイルの一部を残し、天井や柱のレリーフを再現した。
そんなレトロな館内では、文字のデザインから母型の彫刻、活字の鋳造、印刷、製本までの工程を紹介し、貴重な活版印刷機や、活版印刷職人が実際に作業する姿も見られる。オリジナルのTシャツやポチ袋を作れる参加型ワークショップも見逃せない。
700点超えの現代アートコレクション
UESHIMA MUSEUM(東京/渋谷)

ゲルハルト・リヒターやルイーズ・ブルジョワ、オラファー・エリアソン、村上隆、杉本博司、名和晃平、塩田千春など、まるで現代アートの教科書のようなラインナップの美術館。
インターナショナルスクールだったビルを地下1階から地上6階まで改修し、かつての体育館は大型作品も展示できるホールに、渡り廊下だった場所は映像作品用の細長い展示室に、元医務室は光を使う作品の展示室にと、コレクションの個性の映える空間にした。
恐竜の世界が一層リアルに迫力UP
福井県立恐竜博物館(福井/勝山市)

恐竜の化石発掘量が国内有数の恐竜王国、福井。その象徴的博物館が2023年にリニューアル。新館のドーム内には「見える収蔵庫」、巨大スクリーンで恐竜の時代に没入できる「3面ダイノシアター」、研究者気分で化石クリーニングに挑戦できるラボが誕生。
ホール1階の実物大モニュメント「恐竜の塔」も大迫力だ。これを機に本館展示もパワーアップ。全身骨格化石が50体に増え、ブラキロフォサウルスの実物ミイラ化石も日本初公開に!
