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アナウンサー・登坂淳一が声で選んだドキュメンタリー5選

ドキュメンタリー作品のことを語る時、欠かせない要素がナレーション。「優れた語り」とは何か、どのように生み出されるのか。声のプロ、アナウンサー登坂淳一さんにお聞きしました。

Illustration: Kazumi Watanabe / Text: Akiko Yoshikawa

僕がナレーションを担当した番組では、決して出すぎることなく、映像や人々の発言を引き立たせる語りを意識していました。とはいえ経験はそう多くないので、いち視聴者として、素晴らしいと思った語り手の方々を選んでいます。

広瀬修子(元NHKアナウンサー)

初めにご紹介するのは、NHK時代の大先輩である広瀬修子さん。一言でいえばかっこよくて、貴重な映像や証言などをさらにくっきりさせる感じがいい。広瀬さんがナレーション担当の番組を見つけると、「これはきっといい番組だぞ」と、内容を知る前から期待できるんです。

というのも、良質なドキュメンタリーを作っているディレクターやプロデューサーは、ここぞという時に広瀬さんにナレーションを頼む、ということを知っているからなんですが。

元NHKアナウンサー・広瀬修子 イラスト
広瀬修子(元NHKアナウンサー)

映像に没入させる、静かで芯のある声。

豊原謙二郎(NHKアナウンサー)

同じくNHKスペシャルの『ミラクルボディー』を初めて観た時も、衝撃を受けました。ナレーションに抑制を利かせるどころか、パワーを前面に出していて、それが内容 にすごくマッチしていたんです。
「ナレーションはこうあるべき」という僕が無意識に抱いていた固定観念を壊されて、新しい表現を見たという感覚を味わいましたね。

NHKアナウンサー・豊原謙二郎 イラスト
豊原謙二郎(NHKアナウンサー)

ラグビー魂を感じる力強い語り口。

山田孝之(俳優)

『新・映像の世紀』と『バース・デイ』の語り手は、お2人ともアナウンサーではなく俳優さんです。表現力という視点に立ってみれば、“語り”の力を持っていても不思議ではありませんよね。
特に『新・映像の世紀』は、初めて視聴した時には山田孝之さんの声とわかりませんでしたが、映像と並走するようなナレーションに魅了されました。

俳優・山田孝之 イラスト
山田孝之(俳優)

スピードとパワー。引き込まれる感じあり。

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東山紀之(俳優、歌手)

俳優、歌手・東山紀之 イラスト
東山紀之(俳優、歌手)

凜としていて、温かい心が滲み出る。

ジャド・アブムラド(ラジオパーソナリティ)

ドキュメンタリー作品ではありませんが、NHKの『サラメシ』でナレーションをしている中井貴一さんの語りは、顔が出ていなくても、中井さんの声だというのがはっきりわかります。アナウンサーとはまた違った声の表現の豊かさがあって、素敵ですね。アナウンサー以外の方のナレーションも、大変素晴らしいと思うんです。

Netflix配信の海外作品である『ヒューマンボディ』を選んだのは、ナレーションの表現の“幅”を感じられるからです。僕がサイエンスやネイチャー系が好きだというのも理由の一つですが。このジャンルのドキュメンタリーのナレーションは、専門用語や情報量も多いので、わかりやすく伝えるためにどう読むかが難しいと思います。ただ、その分、好奇心を刺激されるので面白いです。

ラジオパーソナリティ・ジャド・アブムラド イラスト
ジャド・アブムラド(ラジオパーソナリティ)

海外のナレーションの息遣いを感じる。

ドキュメンタリーのナレーションは、その番組の内容を引き立てたり、彩ったり、寄り添ったりしていくものだと思っています。ですから、最初に視聴する際には素直に番組自体を味わって、もう一度観る時に、ナレーションにも注目してみてはいかがでしょうか。

どんな内容を、どのように語るか……ナレーションによってさらに作品に深く引き込まれる感覚を、実感できるはずです。