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好きをとことん突き詰める。ストリートカルチャー誌『DAWN』が今、雑誌を作る理由

誰に何を言われることなく、気になるテーマを取材し、自由に編集する。インターネットに逆らうように、続々と生まれる粒揃いの雑誌たち!ストリートカルチャーがテーマの『DAWN』はなぜ今、雑誌を作るのか。

初出:BRUTUS No.976「それでも本を読む理由。」(2022年12月15日発売)

photo: Jun Nakagawa, Shu Yamamoto (magazine) / text: Neo Iida

ストリートカルチャーの深部を見せる

「今紙をやる必要があるのかという雰囲気のなか、何度かウェブメディアにチャレンジしました。でも終わりがないし、情報を点でしか伝えられない。結局、雑誌を作るしか選択肢がなくなったんです」。

『DAWN』を立ち上げた二宮慶介さんは、20代前半から出版業界に身を置き、東京のストリートカルチャーに漬かってきた。

雑誌『DAWN』編集長の二宮慶介
雑誌『DAWN』編集長の二宮慶介さん。

「ストリートカルチャーが大衆化すればするほど、流行り廃りに惑わされない存在も必要になる。そこでヒップホップを軸に、どこにも媚びず自らのスタンスで活動するインディペンデント・アーティストたちやその周りで起こる事象について取り上げた雑誌を作ろうと思ったんです」。

コロナ禍に刊行した「N°1.5」では寄稿者に撮影を依頼。「N°2」は“持続可能な未来”を掲げている。

「不定期刊行なので、テーマを決めすぎるとやりたいことができなくなってしまう。なので大枠はありますが、内容はフレキシブルです。一冊を通して記事に有機的なつながりを作れるのが雑誌のいいところでもありますから」