ストリートカルチャーの深部を見せる
「今紙をやる必要があるのかという雰囲気のなか、何度かウェブメディアにチャレンジしました。でも終わりがないし、情報を点でしか伝えられない。結局、雑誌を作るしか選択肢がなくなったんです」。
『DAWN』を立ち上げた二宮慶介さんは、20代前半から出版業界に身を置き、東京のストリートカルチャーに漬かってきた。
「ストリートカルチャーが大衆化すればするほど、流行り廃りに惑わされない存在も必要になる。そこでヒップホップを軸に、どこにも媚びず自らのスタンスで活動するインディペンデント・アーティストたちやその周りで起こる事象について取り上げた雑誌を作ろうと思ったんです」。
コロナ禍に刊行した「N°1.5」では寄稿者に撮影を依頼。「N°2」は“持続可能な未来”を掲げている。
「不定期刊行なので、テーマを決めすぎるとやりたいことができなくなってしまう。なので大枠はありますが、内容はフレキシブルです。一冊を通して記事に有機的なつながりを作れるのが雑誌のいいところでもありますから」